パット上達はリズムとタッチ 六車日那乃選手と辻村明志ゴルフレッスン第9回 グリーン上でカップを狙わない練習 女子プロゴルファー上田桃子、松森彩夏、吉田優利を指導のプロコーチが教えるシンプルなコツ

ゴルフ全般

パッティングに取り組んでくれたのは六車日那乃選手。グリーン上で欠かせないタッチの感触をつかむために有効な練習を紹介します。プロコーチ辻村明志さんのゴルフレッスン。

辻村明志(つじむら・はるゆき) 1975年9月27日生まれ、福岡県出身。11歳でゴルフを始め、千葉・学館浦安高時代に関東ジュニア選手権高校男子の部、関東高校選手権など優勝。日大では関東学生選手権優勝、朝日杯争奪日本学生選手権2位など。2000年8月にプロ転向し、01年9月に下部ツアーのアイフルチャレンジカップ・オータムで2位となった。11年以降に本格的にコーチとなり、上田桃子、松森彩夏、吉田優利ら女子を中心に多くのトッププロを指導している。

六車日那乃(むぐるま・ひなの)2002年4月23日生まれ、埼玉県出身の20歳。身長154センチ。8歳でゴルフを始める。千葉・麗沢高2年時の19年に全国高校選手権2位。20年にナショナルチーム入り。日本ウェルネススポーツ大に進み、7月のツアーではホールインワンを達成した。目標はロレーナ・オチョア(メキシコ)

グリーン上で最も重要 タッチの感覚 つかむ練習法
5メートルほど先に置いたマークの上に球を止める練習でタッチの感覚をつかむ
3パットを避けることにもつながる
ブレが少ないと3つの球が近くに集まる

パッティング編
 グリーン上で最も大切なのはタッチです。タッチの感覚は、経験を重ねて身に付けていく必要があります。六車選手も、5メートルほど離れたところにマークを3つ置き、その上に球を止める練習をスタート前に何度も繰り返しています。

 タッチを出したくても、そんなに簡単に出るものではありません。では、タッチを出すために大切なことは何でしょう。3つあって、まずはリズムです。あとは体のテンション(力の入り具合)とグリッププレッシャーです。
 テンションやグリッププレッシャーが悪いと力が入ったり、逆に力が抜けてしまうこともあります。いつも同じリズムで、そして同じテンションで打ち続けることが大切です。リズム感を出すために、六車選手はシンプルに「1、2、3」と頭の中で数えながら打っています。
 実際のラウンドでは、そんなに何度も同じ状況でパットを打つことはありません。芝目はもちろん、上っていたり下っていたりと状況はさまざまです。なので、マークを置く場所も上りの後はスライスラインが下っていったところに置くようにするなど、いろいろな状況を想定しておいた方が良いでしょう。
 設置したマークの上に止めようとして3球を打っても、全て同じところにはなかなか行きません。それでも、3つの球が近くに集まっていればブレが少ないということになると思います。
 また、打つ時はストロークを気にする必要はありません。タッチの練習で意識するのはリズムとテンションだけです。六車選手はラウンドの前と後に、この練習をすることがルーティンとなっています。
 コースによってグリーン上のスピードや傾斜は違います。どのコースに行っても合わせる必要があるので、タッチによるスピード感をつかんでからスタートすることが大切ですし、終わってからも次回のために感覚を覚えておくことが大切です。その繰り返しだと言っても良いでしょう。
 前回のテーマに取り上げましたが、六車選手も3パットは避けたいと考えています。3パットを避けることに限らず、自分のブレークラインを見つけて、そこから惰性で球が曲がっていくという感覚を身に付けるためにもタッチを良くすることが必要です。時々は出球の練習をしても、スピードやタッチの強さを身に付けることを優先に考えてください。

 六車選手は、パットの練習のうち8割くらいはリズム感を身に付けることに費やしています。それほど、グリーン上でのスピードをつかむためにリズムとタッチは重要です。そして、体の同じテンション、同じグリッププレッシャーを維持することも大切です。少しでも早くグリーンのスピードをつかむためにも、今回のような練習に取り組んでみてください。

【辻にぃ 心の声】自分のスタイルを貫き 攻めきるのが大事
 先週は男子ツアーで大西魁斗選手が初優勝しました。映像を見てアプローチのテクニックにびっくりしました。攻めのゴルフも感じが良いし、タイガー・ウッズ(米国)ばりのガッツポーズもかっこよかった。個性のある、面白い男子プロが出てきたと感じました。
 一方、女子ツアーでは私が指導する吉田優利選手がプレーオフでセキ・ユウティン選手に敗れました。プレーオフでは2回とも最初のパットがオーバーしてしまい、1回目は3パットで優勝を逃しました。でも、私はそれが吉田選手の良さだと思っています。
 今季はまだ未勝利ですが、スタッツは全て昨季を上回っています。今回もグリーンが重く、ピンポジションも難しかったのですが、最後まで攻めきれていました。試合後にはLINEで「次のタイトルのためにこの負けを大事にします」と伝えてきました。
 クソっ、と思った時の人間は伸びると思います。最後まで自分のスタイルを貫き、攻められるからこそ現在のような立場にいられるのです。そこは曲げずにいってほしいです。
 今日から始まる日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯では、久しぶりに吉田選手のキャディーを務めます。難しいといわれる城陽CCで、しかも公式戦の難しいセッティングにどう対処するのか。成長ぶりをロープの内側で見られるのがとても楽しみです。

取材協力 鎌ヶ谷カントリークラブ(千葉県鎌ケ谷市中沢1348) 
 (電)047-444-4111(代表)

中日スポーツ
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